【スイス】ユネスコ世界遺産 全13ヶ所まとめ 州ごとにご紹介!

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スイスには、ユネスコ世界遺産として文化遺産9ヶ所自然遺産4ヶ所の、合計13ヶ所が登録されています。

13ヶ所の遺産はスイス全土に点在!自然の美しさを堪能できる山岳地域から、歴史的な建築物や街並みまで多岐にわたります。

本記事では、スイスにあるユネスコ世界遺産13ヶ所を州ごとにご紹介していきます!

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目次

スイスの世界遺産一覧

スイスのユネスコ世界遺産に登録されている13ヶ所を、以下の順でご紹介していきます。

なお、以下のリストはドイツ語圏→フランス語圏→イタリア語圏の州の順に並んでいます。(※州によっては複数言語が公用語となっています。 ※遺産によっては複数の州にまたがっています。)

  1. ベルン旧市街(文化遺産)
  2. ユングフラウ-アレッチのアルプス地域(自然遺産)
  3. ザンクト・ガレンの修道院(文化遺産)
  4. スイスのサルドナ上層地殻変動地帯(自然遺産)
  5. ラヴォー地域のブドウ畑(文化遺産)
  6. ラ・ショー・ド・フォン / ル・ロクル、時計製造都市の都市計画(文化遺産)
  7. アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群(文化遺産)
  8. ル・コルビュジエの建築作品 ー近代建築運動への顕著な貢献ー(文化遺産)
  9. カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林(自然遺産)
  10. サン・ジョルジオ山(自然遺産)
  11. ベリンツォーナ旧市街にある三つの城、城壁と要塞群(文化遺産)
  12. ミュスタイアのベネディクト会修道院(文化遺産)
  13. アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道(文化遺産)

ベルン州(Bern/Berne)

スイスの首都であり、スイスの中心部に位置するベルン州からスタート!

ベルン州は、ベルン旧市街が世界遺産に登録されているほか、ユングフラウやアレッチ氷河などの山岳地帯もあり、観光と自然が豊かな地域です。

【公用語】ドイツ語、フランス語

1. ベルン旧市街(Old City of Berne)

ベルンの旧市街

<ベルンの旧市街>
登録名:Old City of Berne
分類:文化遺産
登録年:1983年

スイスの首都ベルンの旧市街は、1983年に世界文化遺産に登録されました。

12世紀に建設されたベルン旧市街は、今も変わらぬ街並みが残っています。

ベルンの鉄道駅「ベルン中央駅(Bern Hauptbahnhof)」を出てすぐに旧市街があるため、アクセス良好。旧市街では美しい石畳の街並みや時計塔(Zytglogge)、歴史のあるアーケードを楽しめます。

<ベルン旧市街の見どころ>

  • ツィットグロッゲ(Zytglogge){ベルン旧市街のシンボルとなる時計台
  • ベルン大聖堂(Berner Münster)
  • 連邦議事堂(Bundeshaus)
  • 熊公園(Bärengraben){クマが飼育されている!
  • アーレ川(Aare River)
  • アインシュタイン博物館(Einsteinhaus)

ベルンの街を観光する際は、ベルン中央駅から旧市街を通ってバラ公園に行くのがおすすめのルートです。

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2.ユングフラウ-アレッチのアルプス地域(Swiss Alps Jungfrau-Aletsch)

アレッチ氷河

<スイス・アルプス ユングフラウーアレッチ>
登録名:Swiss Alps Jungfrau-Aletsch
分類:自然遺産
登録年:2001年、2007年に範囲拡大

スイス・ベルン州(Bern)とヴァレー州(Wallis)にまたがるアルプス山脈の一部「スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(Swiss Alps Jungfrau-Aletsch)」。

スイスを代表する山岳地帯で、ユングフラウ、エイガー、モンヒの3大名峰と、アルプス最大かつ最長であるアレッチ氷河が広がり、高山の植物や動物も多く生息している地域です。

ここはスイスの自然の美しさを体感できる場所で、観光だけでなく、ハイキングやスキーの人気スポットでもあります。

アルプス最大の氷河であるアレッチ氷河は、全長約23km。しかし、地球温暖化の影響により、氷河の縮小が進んでおり、将来的には「アレッチ氷河が消失するのでは」と懸念されています。壮大な氷の大地が織りなす美しい景色を、今のうちに目に焼き付けておきたいものです。

また、スイスの人気観光名所の一つである「ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch)」は、標高3,454メートルにあるヨーロッパ最高の鉄道駅で、ここから「アレッチ氷河」を含む雄大な景色を楽しむことができます。

2001年に「ユングフラウ-アレッチ-ビエッチホルン地域(Jungfrau-Aletsch-Bietschhorn)」が世界自然遺産として登録され、2007年にはベルナーアルプスの山々を含むエリアも追加登録されました。(総面積は539㎢から824㎢に拡大!)

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ザンクト・ガレン州(St. Gallen)

スイス東部に位置する「ザンクト・ガレン州」。美しいアルプスの景観やボーデン湖に面しており、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタインの国境からも近いです。

公用語】ドイツ語

3. ザンクト・ガレンの修道院(Abbey of St. Gall)

ザンクト・ガレンの修道院

<ザンクト・ガレンの修道院>
登録名:Abbey of St Gall
分類:文化遺産
登録年:1983年

<ザンクト・ガレンの修道院>
登録名:Abbey of St Gall
分類:文化遺産
登録年:1983年

サンクト・ガレン修道院は、1983年に世界文化遺産に登録されました。

1755年から1768年にかけて建造されたバロック様式の大聖堂と、世界的に有名な修道院図書館があり、中世の写本や文書が多く保存されています。

この修道院図書館はスイス最古の図書館で、1767年に建造されたものです。

修道院図書館の内部は撮影が禁止ですが、非常に豪華で美しい内装が広がっています。

4. スイスのサルドナ上層地殻変動地帯(Swiss Tectonic Arena Sardona)

スイスのサルドナ上層地殻変動地帯

<スイスのサルドナ上層地殻変動地帯>
登録名:Swiss Tectonic Arena Sardona
分類:自然遺産
登録年:2008年

グラールス州、ザンクトガレン州、グラウビュンデン州の3つの州にまたがっている広大な「スイスのサルドナ上層地殻変動地帯」は、2008年に世界自然遺産として登録されました。

スイスのサルドナ上層地殻変動地帯では、約3億年前の古い岩盤が、約5千万年前の新しい岩盤に押し上げられて作れらた、貴重な地層を目にすることができます。

地層が隆起してできた壮大な風景は圧巻です。

この地域にはPiz SardonaやCamoghèをはじめとした、3,000m級の名峰が7つも広がっていて、ハイキングコースや展望台も整備されています。

ヴォー州(Vaud)

ヴォー州はレマン湖の北岸に広がる州で、ローザンヌが州都です。ラヴォー葡萄畑が世界遺産に登録されており、ワイン産業が盛んな地域。また、国際機関も多く存在します。

【公用語】フランス語

5. ラヴォー葡萄畑(Lavaux, Vineyard Terraces)

ラヴォー地域のブドウ畑

<ラヴォー地域のブドウ畑>
登録名:Lavaux, Vineyard Terraces
分類:文化遺産
登録年:2007年

2007年に世界文化遺産に登録された「ラヴォー地域のブドウ畑」は、レマン湖を見渡す斜面に広がっています。

ブドウ畑が段々畑である理由は、ぶどうが育つために必要な日光を効率的に集めて寒さを防ぐためなんだそうです。

ラヴォー地域は、1,000年以上にわたるワイン栽培の歴史を持ち、ワイン愛好家にとても人気のあるエリアです。しかし、ワインだけでなく、観光客にも魅力的な場所で、レマン湖や美しい葡萄畑を眺めながらのハイキングも楽しめます。

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ヌーシャテル州(Neuchâtel)

スイス西部の州「ヌーシャテル州(Neuchâtel)」は、スイスの時計産業の中心地の一つとして有名です。ジュラ山脈とヌーシャテル湖に囲まれた美しい自然環境も特徴。

【公用語】フランス語

6. ラ・ショー=ド=フォン/ル・ロクルの時計産業都市(La Chaux-de-Fonds/Le Locle, Watchmaking Towns)

La Chaux-de-Fonds

<ラ・ショー・ド・フォン / ル・ロクル、時計製造都市の都市計画>
登録名:La Chaux-de-Fonds / Le Locle, Watchmaking Town Planning
分類:文化遺産
登録年:2009年

2009年に世界文化遺産に登録された「ラ・ショー・ド・フォンと、ル・ロクル、時計製造都市の都市計画(La Chaux-de-Fonds / Le Locle, Watchmaking Town Planning)」。これらの街は、スイス時計産業の中心地です。

独自の都市計画による、時計職人の家と工房が一体となった設計が今も街に残り、時計作りの歴史を感じられます。

この2つの都市は、時計製造の歴史や技術を学ぶことができる博物館や、古い時計工房の見学などができる観光地としても知られています。

7. アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群

アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群
※こちらの写真はイタリアの掘立柱住居群です。

<アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群>
登録名:Prehistoric Pile Dwellings around the Alps
分類:文化遺産
登録年:2011年

2011年に世界文化遺産に登録された「スイスのアルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群」は、アルプス周辺の湖や沼地に紀元前5,000年から紀元前500年頃にかけて建設された住居跡です。

この住居群は、スイスを含む6か国(イタリア、ドイツ、フランスなど)11ヶ所にあり、スイス国内には56か所の遺跡が存在します。

これらの遺跡からは、当時の人々の生活様式、農業、道具などを詳しく知ることができます。

ジュネーブ州(Genève)

スイス最西端に位置するジュネーブ州は、国際連合や赤十字の本部がある国際都市です。レマン湖畔に位置し、金融と外交の中心地でもあります。

【公用語】フランス語

8. ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-

アルゼンチンの「クルチェット邸」
ル・コルビュジエの建築物、アルゼンチンにある「クルチェット邸」

<ル・コルビュジエの建築作品 ー近代建築運動への顕著な貢献ー>
登録名:The Architectural Work of Le Corbusier, an Outstanding Contribution to the Modern Movement
分類:文化遺産
登録年:2016年

2016年に世界文化遺産に登録された「ル・コルビュジエの建築作品 ー近代建築運動への顕著な貢献ー」。

これは建築家であるル・コルビュジエ(Le Corbusier)氏の代表的な建築作品を対象としており、スイスや日本を含む7カ国に17の建築物が点在します。

MIZU

日本は、東京・上野公園の国立西洋美術館がル・コルビュジエの建築作品です。

スイス出身であるル・コルビュジエ氏は、都市計画や現代建築の発展に大きな影響を与えた人物。

スイスには、ジュネーブ州・レマン湖畔の「小さな家(Petite villa au bord du lac Léman)」、ヴォー州・コルソーにある「イムーブル・クラルテ(Immeuble Clarté)」の2つの建築作品があります。

ティチーノ州(Ticino)

スイス南部にあり、イタリア語が公用語であるティチーノ州。地中海性気候とイタリア文化、大自然が特徴で、観光地としても人気があります。

【公用語】イタリア語

9.カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林

ブナ原生林

<カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林>
登録名:Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
分類:自然遺産
登録年:2007年

2007年に世界文化遺産に登録された「カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林*」は、ヨーロッパ各地に広がるブナの原生林を保護するために登録された遺産で、スイスの一部地域も含まれています。

このブナの森は数千年もの間、自然のままの状態で維持されてきて、現在もその生態系が続いています。多くの動植物が生息する、非常に重要な場所となっています。

*スイスのソロトゥルン州ベットラッハシュトックとティチーノ州ヴァッレ・ディ・ロダーノにある古代ブナ林が、2021年7月に追加で登録されました。

10. サン・ジョルジオ山(Monte San Giorgio)

サン・ジョルジオ山

<モンテ・サン・ジョルジョ>
登録名:Monte San Giorgio
分類:自然遺産
登録年:2003年

イタリア国境近く、スイス・ティチーノ州にある「サン・ジョルジョ山(モンテ・サン・ジョルジョ)」は、2003年に世界自然遺産に登録されました。

サン・ジョルジョ山では、約2億〜3億年前の化石が数多く発見されており、地球の歴史を理解するための重要な場所とされています。

それらの化石は保存状態も良いことから、古生物学の研究に役立ち、貴重な記録として今も発見が続いています。

また、標高1,096mのサン・ジョルジョ山は、美しい自然に囲まれ、ハイキングやトレッキングを楽しむのに最適な場所です。初心者から上級者まで対応したさまざまなハイキングコースが用意されており、幅広いレベルの方が楽しめるようになっています。

11. ベリンツォーナ旧市街にある三つの城、城壁と要塞群(Three Castles of Bellinzona)

モンテベッロ城

<ベリンツォーナ旧市街にある三つの城、城壁と要塞群>
登録名:Three Castles, Defensive Wall and Ramparts of the Market-Town of Bellinzona
分類:文化遺産
登録年:2000年

ティチーノ州・ベリンツォーナの旧市街には、モンテベッロ城、カステルグランデ城、サッソ・コルバロ城の3つの中世の城があり、これらは「ベリンツォーナ旧市街にある三つの城、城壁と要塞群」として2000年に世界文化遺産に登録されました。

当時、ベリンツォーナの城塞は、アルプスを越える重要な交通路を守るため配置されたもので、三つの城は、街を敵から守るための防御システムの一部として存在しました。

MIZU

ベリンツォーナは、すぐそこのイタリアからスイスを守るために非常に重要な街だった!

現在では、観光地として多くの人々が訪れています。観光客は城を見学したり、城壁の上を歩いたりして、歴史を感じることができます。

▼こちらの記事では3つの城と、モンテベッロ城観光について詳しく書いています。

グラウビュンデン州(Graubünden)

グラウビュンデン州(Graubünden)は、スイス東部に位置する最大の州で、スイスで唯一3つの公用語(ドイツ語、ロマンシュ語、イタリア語)を持つ地域です。

山岳地帯が広がり、アルプス観光の中心地としても有名です。

【公用語】ドイツ語、ロマンシュ語、イタリア語

12. ミュスタイアのベネディクト会修道院(Benedictine Convent of St John at Müstair)

ミュスタイアのベネディクト会修道院外観

<ミュスタイアにあるベネディクト会の聖ヨハネ修道院>
登録名:Benedictine Convent of St John at Müstair
分類:文化遺産
登録年:1983年

スイスのグラウビュンデン州にある、山に囲まれた小さな村「ミュスタイア」。そんなミュスタイアにある聖ヨハネ修道院は、8世紀に建てられたとても古い修道院です。

修道院の内部には、中世ヨーロッパ最大級のフレスコ画(壁画)が状態良く残されており、それらには聖書の物語が描かれています。

「ミュスタイヤにあるベネディクト会の聖ヨハネ修道院」は、1983年に世界文化遺産に登録されました。

その他

スイスといえばこの鉄道を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか。世界遺産に登録された「アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道」は、年間を通して美しい景色を楽しめます。

13. アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道
Rhaetian Railway in the Albula / Bernina Landscapes

アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道

<アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道>
登録名:Rhaetian Railway in the Albula / Bernina Landscapes
分類:文化遺産
登録年:2008年

国境を越えて世界文化遺産に登録されている、「アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道」。スイスとイタリアを結ぶこの鉄道は、2008年に世界文化遺産に登録されました。

レーティッシュ鉄道のルートは、スイスの壮大な山々や川、渓谷を抜けて進みます。

高い橋を渡ったり、長いトンネルをくぐったり、鉄道に乗りながらスイスの絶景を楽しめるため、観光客にとても人気があります。

冬は雪景色が美しく、夏には緑豊かな山々など、四季折々のスイスの景色を堪能できます。

▼冬の景色

ベルニナ鉄道の冬景色

スイスの絶景を味わいたい方は、ぜひ一度乗車してみてください。

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まとめ:スイスの世界遺産は旅行に組み込みやすい!

スイスの世界遺産は、壮大な自然から歴史的な建造物まで、多彩な魅力が詰まっています。

本記事でご紹介した13か所の世界遺産は、スイス全土に点在しているため、スイス旅行の一環としても組み込みやすいかと思います。

貴重な世界遺産を目にし、より充実したスイス旅行の思い出を作ってみてください!

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スイスの世界遺産13か所

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