年に一度、スイスのバーゼルで行われる「バーゼル・ファスナハト(Basler Fasnacht)」。
バーゼル・ファスナハトはスイス最大のカーニバルで、ユネスコ世界無形文化遺産に認定されています。
この伝統的なファスナハトは、地元住民だけでなく観光客にも人気で、忘れられない楽しい体験となること間違いなしです。
3日間行われるカーニバルで、バーゼル在住の私は毎年3日連続で参加しています!
そんなバーゼルが一番盛り上がるファスナハトについて詳しくご紹介していきます。
バーゼルのファスナハトについて
スイス最大のカーニバルであるバーゼルのファスナハト(Baseler Fasnacht/バズラーファスナハト)は、バーゼルの地元民だけでなく、世界中から観光客が集まるほどに注目されているイベントです。
バーゼル・ファスナハトの歴史
バーゼルのカーニバル(謝肉祭)「ファスナハト」は、14世紀から続く長い歴史を持っています。ファスナハトは、冬が終わり、春が訪れる前に厳粛な時期から解放されるための祝祭として発祥しました。
伝統的な行事や儀式が、今もなおファスナハトのパレードや祭りに反映されています。
ファスナハトの仮装
ファスナハトの見どころの一つでもある、豪華な仮装となんだか奇妙なマスク。
この仮装はバーゼル・ファスナハトの見どころの一つでもあり、様々なテーマに基づいたクリエイティブでインパクトのある仮装(伝統的、政治的、歴史的な出来事や風刺、その他)が彩ります。
仮装は個性的で多様であり、そのバラエティ豊かな様子は見ているだけで楽しませてくれます。
一般的には組合のような団体が、それぞれ毎年テーマを決めていて、去年は日本のナルトの仮装をした団体もいたよ!
ファスナハトの時期が近づくと、バーゼルのお店の一部がファスナハトコーナーとなり、マスクや衣装も店頭で買うことができます。
この特徴的なマスクですが…なんと数万する高価なものです。一度買ったらずっと使えるものではありますが、よほどの気合いがないと手が出せないと感じてしまいます。
バーゼルのファスナハトではどんなことが行われる
ファスナハトの3日間は、仮装した人々が、楽器を演奏しながら練り歩いたり、大きなワゴンに乗って街中を回って盛り上げてくれます!
大量のコンフェッティが舞い、オレンジや飴、おもちゃなどがワゴンから投げられ、歓声が行き交います。
バーゼルのファスナハトは、参加者と観客が一体となって楽しむ雰囲気が漂い、誰が訪れても楽しめるカーニバルです。
バーゼルでは年間を通して様々な催しがありますが、こんなにも街全体が盛り上がるのはファスナハトだけ。この明るく賑やかな雰囲気は、冬の寒さすらを吹き飛ばすことができる特別な瞬間です。
バーゼル・ファスナハトの3日間
ここからは実際の写真と一緒にカーニバルの内容を詳しくご紹介します。
朝4時に始まるMorgestraich(モルゲシュトライヒ)
バーゼルのファスナハトは、Aschermittwoch(灰の水曜日)の次の月曜日の午前4時に始まります。
これをMorgestraich(モルゲシュトライヒ)と呼びます。
4時…まだ真っ暗な、朝の4時です。
早朝でもトラムや電車は走っているので、公共交通機関を利用して街に繰り出すことができます。
冬の早朝スタートではあるのものの、世界中からこのMorgestraichを見に人が集まってくるため、朝から賑わっています。
日本でいう大晦日の夜のようなワクワク感があります。
屋外なので防寒必須!
▼水洗いのできる電熱ベストおすすめです!
▼朝3:45頃の街の様子
聖マルティン教会の鐘の音が鳴り響くと、市街地の明かりはすべて消され、朝の4時になった瞬間に一斉にMorgestraichが始まります。
真っ暗な中でピッコロや太鼓が鳴り響き、美しいランタンが光り輝きます。
とても幻想的な光景で、ファスナハトの音楽は高揚感があります。
最もMorgestraichが賑わうのは以下の場所で、
- Barfüsserplatz
- Marktplatz
- Rümelinsplatz
- Falknerstrasse
- Freien Strasse
私は2023年にショッピングストリートとして有名な「Freien Strasse」でMorgestraichを体験しました。
【2024年 Morgestraich】
2月19日(月)午前4:00〜
Morgestraichの後には早めの朝食を済ませてそのまま仕事に行く人も多いです。
ファスナハトの期間は学校はお休み、仕事もお休みの会社が多くある!
この日ばかりは早朝から開いているカフェやレストランも多いので、Morgestraichに行かれる方はぜひ休憩を挟んでからご帰宅ください。
ここで注意したいのが、レストランは外から見ると真っ暗で閉まってそうでも、ドアを開けると普通に営業していることです。
Morgestraichが終わったらお店の前のライトくらいつけたら良いのに。。と思いますが、地元民からすると普通だよ!とのことです。
ファスナハトの名物はオニオンorチーズのタルト*で、この時期限定で食べることができます。
*オニオンタルト=Zwiebelwähe、チーズタルト=Käsewähe
▼オニオンタルト「Zwiebelwähe」
▼ファスナハトの日限定のメニューがこちら。
紅茶は、スイスで有名なシロッコ(SIROCCO)のものが出てきました。カフェやレストランでシロッコが出てくると嬉しい…
シロッコは日本でもカフェで使われていたり購入もできますが、ちょっぴり高級かつ美味しいので、特別な気分を味わうことができます。
Morgestraich後に私が行ったのはBarfüsserplatzにある「KOHLMANNS」というレストランです。トラム駅の目の前でとても便利です。
寒い朝方かつ人混みの中でのレストラン探しは体力を奪われますので、ぜひ参考にしてみてください。
大人向けの2日間「Cortège」は必見!
月曜日と水曜日の午後は大人向けのカーニバル「Cortège」です。
【2024年Cortège開催日時】
開催日:2024年2月19日、2月21日
時間:13:30〜18:00
ファスナハトで必ず見たいのがこの「Cortège」で、街中がこれでもかというくらいに盛り上がります。
一度聴いたら忘れることのできないファスナハトの音楽「Guggenmusik」。Guggenmusikは、音楽隊が奏でる音楽のことを指します。
▼ピッコロ隊
▼太鼓隊
歩きながら何時間も素敵なメロディを奏でてくれるのです。
ピッコロは美しい音色で太鼓は迫力満点!
▼他にも様々な楽器を演奏して盛り上げてくれます
大きなワゴンがいくつも回っていて、そこからお菓子やコンフェッティ(紙吹雪)を投げています。
紙吹雪も、スーパーをはじめとしたお店で購入できます。
▼一緒に行ったお友達の写真。コンフェッティをパンパンに詰められています。
▼コンフェッティ以外のものも飛んできます笑
ファスナハトに行く際は、こもこジャケットや、口の閉まらないバッグを持っていくのはおすすめしません。ただでさえコンフェッティだらけになるので、ジャケットをしっかり閉めて挑んでください!
ニット帽に付いたコンフェッティを取るのに苦労した…
▼様々なワゴンが街を回っていて仮装もそれぞれ違って面白いです。
▼馬がワゴンを牽引していたり
▼こちらはトラクターが牽引しています(トラクターが主流。)
13:30〜18:00の間にたくさんのワゴンや音楽隊がバーゼルの中心街を回っていて、どこにいてもどの時間帯でも楽しむことができます。
バーゼルの中心街へ行けばすぐに見つかりますが、バーゼルが初めての方はMarktplatzを目指してお好きな場所を選んでみてください。
念の為、ワゴンが回る公式ルートを貼っておきます。>>こちらから
火曜日は子供向けの日「Kinderfasnacht」
バーゼルのファスナハトは迫力があり、大人もたっぷり楽しめる雰囲気です。ですが、その分子供からするとワゴンが高かったり人混みで移動が大変だったりという問題もあるかもしれません。
そんな子供たちのために、
ファスナハトは火曜日に子供の日(Kinderfasnacht)が設けています。
月曜日と水曜日よりは混雑が減り、ワゴンも低いものばかりなので、子供が思う存分に楽しめます。
【2024年 Kinderfasnacht】
開催日:2024年2月20日
▼子供向けの人形やお花。色々プレゼントしてくれます。
大人だけなく仮装した子供がワゴンを引いて回っていたり、とにかく可愛いです。
▼子供がちびっこ目線でお菓子をくれる、なんとも微笑ましい光景
▼このくらいの高さのワゴンやそれより低いものが多く、子供がしっかりと楽しむことができるんです。
▼高さのあるワゴンが回ってくることもあるので、見応えもあります。
ワゴンだけでなく音楽隊も回っているので、大人向けのファスナハト同様に楽しめます。
また、来客者である子供たちも仮装をして楽しんでいて、スイスではハロウィンよりも仮装が盛り上がるのがファスナハトです。
子供の日だからといって侮ってはいけず、大人に向けてもコンフェッティをかけて(洋服の中に入れて)きます。この日もしっかりと装備をして足を運んでみてください!
ファスナハトで何がもらえる?
ファスナハトでは、たくさんの収穫があります。
お菓子やフルーツ、野菜やお花、DVDやお酒、おもちゃやぬいぐるみなど、様々なものをいただきました。
ワゴンが来たら「Waggis(ヴァギス)!」と叫んで、お菓子をゲットしましょう!
3日間の戦利品?の一部をご紹介します。
お花は、ミモザやバラなどをいただきました。
バーゼルのファスナハトへ行く方は、エコバックなどを持参しておくと良いでしょう。
街がコンフェッティだらけに
余談ですが、ファスナハトの日はバーゼルの街がゴミだらけ(主にコンフェッティ)になります。
街全体がこんな状態ですから、まあめちゃくちゃです。みんなこの日ばかりはゴミをポイポイしています。
しかし、カーニバルの夜には清掃が入り、コンフェッティが一枚も落ちていないくらいにまっさらな状態に。一晩で綺麗さっぱり清掃をしてしまうスイスにいつも驚かされます。
日本に似ている一面!
バーゼル・ファスナハトの参加料金とピンバッジ
バーゼルのファスナハトは無料で参加できるので、思う存分楽しむのみです。
さらにファスナハトを楽しみたい方のために、ピンバッジの販売もあります。
このピンバッジには種類がいくつかあって、一番安いものはCHF10〜購入ができます。
夫が職場でもらってくるので、私は毎年シルバー(CHF20)のピンをつけて(ちょっとガチ勢っぽく)ファスナハトに参加しています。
▼左が2023年モデル、右が2024年モデル
このピンバッジをしていることで、
- コンフェッティをやたらに洋服に入れられない
- 優先的にものをもらえる
などのメリットがあるそうです。
2023年にこのピンバッジをつけて参戦しましたが、ピンバッジをしていなかった友達とそこまで変わらなかったような…。
マスクを被りながらたくさんの人がいる中でバッジにまで気を配るのは至難の業だと思います。
見てくれたらラッキーくらいで、特に期待をせずに思い出を作るのがおすすめです。
コンフェッティを入れられると厄介ですが、コンフェッティを浴びてこそファスナハトな気もするんですよね。
結果として、ピンバッチはあってもなくても楽しめます。
バーゼルのファスナハトに貢献したい方、思い出としてピンバッジがほしい方はぜひゲットしてみてください。
購入先はオンラインもしくは街中キオスクをはじめとしたお店で購入することが可能です。
バーゼルでおすすめのホテル
遠方からバーゼルにお越しの方は、早めにホテルを予約しておくことをおすすめします。
スイス最大のカーニバルなだけあって、遠方からの来客者も多く、良いホテルはあっという間に予約が埋まってしまします。
以下にファスナハトの参加にも便利で素敵なホテルを3つご紹介します。
①Hotel Märthof Basel(ホテル マートホフ バーゼル)
Hotel Märthof Basel(ホテル マートホフ バーゼル)は、バーゼルシティのど真ん中にあるホテルで、立地良し、ホテルもモダンで美しいです。
どこを切り取っても絵になるおしゃれなホテル!
普段のバーゼル観光にもおすすめですが、立地が良すぎるが上、カーニバル中は少々騒がしくなります。
しかし、早朝に行われるMorgestraichに参加したい場合にはとてもおすすめです。
このホテルに入っている「Bohemia Basel」というレストランも美味しくてお気に入りです。
②HYPERION Hotel Basel(ハイペリオン ホテル バーゼル)
HYPERION Hotel Basel(ハイペリオン ホテル バーゼル)は、バーゼルの中心街から少し歩いたところにあります。
しかし、すぐ近くでファスナハトが行われているので、騒がしくなく落ち着いた環境での滞在、そしてファスナハトにも気軽に参加できます。
入ってすぐのところにバーラウンジがあり、レストランも併設しています。景色も良くて綺麗なホテルです。
③Grand Hotel Les Trois Rois(グランド ホテル レ トロワ ロア)
五つ星ホテルである「Grand Hotel Les Trois Rois(グランド ホテル レ トロワ ロア)」は、ヨーロッパで一番古く、バーゼルで一番高級なホテルです。
ライン川の目の前という美しい立地で、ホテル内に入っているレストランやバーも一流です。
上皇后美智子様もこのホテルに宿泊されたみたい!
もちろん立地も文句なしの便利な場所なので、バーゼルで贅沢な滞在を叶えたい方におすすめのホテルです。
▼Grand Hotel Les Trois Roisでカフェ利用した際の記事がこちらです。
まとめ:バーゼルのファスナハトは一生の思い出になる!
普段は落ち着いた雰囲気のバーゼルの街が3日間だけ別世界のような盛り上がりとなります。ファスナハトというイベントを通して来客者が一体となり、特別な時間を過ごすことができます。
真冬なのでしっかりと防寒をしながら、そして飲み物を持参しておくと安心です。
2月のスイス旅行の際は、ぜひ、ぜひ!バーゼルのファスナハトに参加してみてください。一生忘れられない思い出となることでしょう。
▼ファスナハトの時期限定のお菓子
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